1年を通して、価格も安く、美味しくて使い勝手のいいお野菜といえば、何といってもキャベツですよね。
春キャベツは柔らかくて食べやすく、冬のキャベツは歯ごたえがしっかりしていてとっても甘くて、どの季節のキャベツも大好きです。
わたしは、生のまま千切りにして唐揚げの付け合わせにしたり、炒めたり、ゆでたり、と料理法を変えて美味しく食べています。
でも、キャベツって生の状態と加熱したもの場合とでは、栄養価に変化はあるのでしょうか?
調理法によって豊富な栄養が流出してしまったり、変化があるのか気になるところです。
できることならなるべく栄養は逃したくないですよね。
そこで、今回は加熱したキャベツの栄養や生で食べる場合のコツ、さらに効率よく栄養を摂るための料理法をご紹介したいと思います。
記事作成:管理栄養士・野菜ソムリエ Nonko
キャベツの栄養は加熱するとどうなる?
キャベツは加熱すると栄養価が減少してしまいます。
それはキャベツに含まれている栄養素が水に溶け出たり、熱に弱い性質であることが原因です。
キャベツは主にビタミンとカリウム、食物繊維などが多く含まれています。
ビタミンではビタミンC、ビタミンK、ビタミンU(キャベジン)が豊富です。
ビタミンCやビタミンU(キャベジン)、カリウムは加熱調理によって、減少するのですが、茹でる場合と油で炒める場合で少し違ってきます。
茹でる場合
キャベツに含まれているビタミンCは水に溶けやすい性質を持つビタミンで、水溶性ビタミンなんて呼ばれています。
また、カリウムも水に溶けだしてしまう性質があります。
さらに、どちらも熱に弱いので、茹でた場合はこれらの栄養素は半分以上減少してしまいます。
炒めた場合
油で炒める場合は、水に溶けだすことがないので、茹でる場合よりは減少が少なくてすみます。
ただ、ささっと炒めた場合は減少率は少なくて済みますが、ビタミンC、カリウムは熱に弱いため、加熱しすぎるとそれだけ栄養素が破壊されてしまうので注意が必要です。
また、聞きなれない栄養素、ビタミンU(キャベジン)はキャベツ特有の栄養素で、胃壁の粘膜を丈夫にし、消化を助ける働きがあります。
こちらも加熱に弱いため、生食で取り入れることができる栄養素とされています。
反対に、ビタミンKは油に溶けやすい性質を持ち、熱にも強いため、油でいためることによって栄養が吸収しやすくなるというメリットがあります。
このように、加熱調理でも茹でた場合はかなりの栄養素が失われてしまいますが、これはあくまでもゆで汁を捨てた場合なので、茹でる場合はみそ汁やスープのようなゆで汁も一緒に食べれる料理で栄養素の減少をいくらか減らすこともできますよ。
油でいためる場合は失われる栄養素も若干ありますが、ビタミンKにおいては吸収しやすくなることから、おすすめしたい調理法ともいえますね。
また、加熱した場合は栄養素の損失はありますが、加熱によってキャベツの細胞壁が破壊されるので栄養素が吸収しやすくなるというメリットもあります。
キャベツを生で食べるときの注意点は?
キャベツを生で食べるときは、洗い方に注意が必要です。先ほどビタミンCは水に溶けやすいとご紹介しました。
キャベツを千切りにして水にさらす方がいると思いますが、そうするとキャベツの切り口からビタミンCが流れてしまいます。
キャベツを生で食べるときは、葉を剥がしたらささっと洗い、切っても水にさらさないようにしてくださいね。
シャキッとさせるためにどうしても水にさらしたい場合は短時間に留めるようにしましょう。
食べるときは、オイルの入ったドレッシングやオリーブオイルなどをかけて食べることで、ビタミンKの吸収率もアップしますよ。
生野菜は体を冷やしてしまうので、冷え性の方や妊婦さんは食べすぎには注意してくださいね。
キャベツの栄養を効率よく摂る料理は?
キャベツの栄養を逃さず、効率よく摂る料理はなんでしょうか?
なるべく栄養素が減少しにくい調理法で食べたいですよね。
そして、加熱調理でも工夫一つで栄養素の減少が抑えられます。
いくつかの調理法で押さえておきたいコツとともに紹介しますね。
生のまま食べる
生のままですと、加熱による栄養素の損失が少ないので、先ほどご紹介した洗い方に注意し、オリーブオイルやオイル入りのドレッシングをかけて食べると効率よく栄養が摂取できます。
ただ、生だと量があまり食べられないというデメリットもあります。
茹でる場合
ゆで汁を捨ててしまわないような調理法「みそ汁」「スープ」などですと、水に溶けだした栄養素もいただくことができます。
また、加熱によりキャベツの細胞壁が破壊されるため栄養が吸収しやすくなったり、何よりかさが減るのでたくさん食べられるというメリットもあります。
キャベツを一玉買ったなら、ロールキャベツなどもおすすめですよ。
蒸す
蒸し料理は茹でる場合に比べて、水に溶けだす栄養素の損失が少ないです。
短時間で蒸してバーニャカウダーなどの料理で召し上がっていただくのがおすすめです。
オイルベースのたれに付けて食べると、ビタミンKの吸収もしやすくなりますね。
また、蒸し料理とはちょっと違うのですが、お好み焼きも中のキャベツが蒸されている状態で、キャベツの水分も生地に吸収されていますし、油も使っているのでおすすめです。
炒める
キャベツを炒める場合は、シャキッと感を残した野菜炒めがおすすめです。
ささっと炒めることで栄養素の減少が抑えられます。
こちらも、加熱することによってかさが減りたくさん食べれるので、栄養もたくさん摂れますよ。ただし、炒めすぎは注意してくださいね。
まとめ
1年中食べられて、安価で栄養も豊富なキャベツ。
加熱による栄養素の損失はありますが、調理の工夫によっては栄養が吸収しやすくなったり、たくさん食べられたりメリットもいっぱいありますよね。
今回ご紹介したように調理法ごとのコツさえ押さえておけば、生でも加熱しても栄養の損失が少なくてすみますよ。
栄養満点の美味しいキャベツをまるごと食べつくしちゃいましょうね。
記事作成:管理栄養士・野菜ソムリエ Nonko
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